我をうしなう 迷子犬

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夕暮れ近い時刻、軽登山道を歩いていると鋭い声がする。人間の声だったのか、それとも何か別の音だったのか。しばらく歩くと再び「ハビッヒ!」と聞こえるような人間の声。それに続いて向こうから一人の男が歩いてくるのが見えた。すれ違うとき笑顔で会釈を交わし、「犬か何かを探しているんですか」と聞いた。「犬です」との答え。すぐ見つかるだろうとそれ以上の言葉を交わさず歩き続けた。先方は登り道、こちらは下り道。それから10分ぐらい歩いたところで目の前へ突然一匹のビーグル犬が飛び出してきた。

「君か、お父さんとはぐれたのは」というと人懐っこくこちらを見上げてもの言いたげな様子。「君のお父さんはあっちの方や」と歩いて来た方を指さす。犬はこちらの言うことを理解していて、そちらの方をさっと見て走り出すが5-6歩も行くとこちらへ戻ってくる。2-3回それを繰り返したがそばを離れない。後ろを向いて「おーい、探している犬はこっちですよ。こちらにいますよ」と大声で叫ぶが何の返事も返ってこない。犬も私が叫んだほうを心配そうに見ている。しかし、行こうとはしない。「一緒に行ってください」と言っているような顔をしてこちらを見ている。「しようがないな。一緒に行ってやるよ。おいで」と歩きかけるとうれしそうについてくる。「おーい、おーい。犬はこちらにいるよ」と大声で叫びながら坂道を登る。10分ぐらい歩くと向こうから先刻の男性が現れた。「あっ、どこにいましたか」「このずっと下のほうです。でも見つかってよかった、よかった。じゃ、私はこれで」「どうも有難うございました」

以前にも迷子のビーグル犬に会ったことがある。不安でブルブル震えていた。今日のは震えていなかったけれどやはり不安で私に同行してほしそうだった。飼い主が広い森で自由に走りまわらせてやりたいと思うのは理解できるが、どうもビーグル犬は方向感覚が弱いらしい、それに主人の残留臭を嗅ぎつけて追跡するのが下手な犬種らしい。普段家で飼っていていきなり山野へつれて出て自由に走りまわらせるのは犬にとっては逆に酷なことだ。ぜひ引き綱に繋いで歩いてほしい。犬は人間を信頼しているから放されると自由に行きたいところへ行ってよいのだと理解する。どれだけが安全行動半径かというようなことをビーグル犬は考えていない(と思う)。









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